補綴物をセットする際、セメントをどのような基準で選択するかという問題について示すことを目的としているコンテンツである。
ところで、30年以上もっているインレーやFCKは・・・
→リン酸亜鉛セメントによる合着に違いない。それゆえ、歴史的に“リン酸亜鉛セメント”は認められているセメントとの議論があり、確かにある意味では正しい議論である。しかし一方で、リン酸亜鉛セメントは歯質とケミカル(化学的)に接着しているわけではなく、【補綴物⇔セメント⇔歯質】間の嵌合効力に依存しているわけである。すなわち、リン酸亜鉛セメントにより合着された補綴物が長期間脱離しなかった理由として、適切な維持・支持・把持形態を付与された補綴物であったことが挙げられる。歯科医師の技量による勝利である。
逆説的ではあるが、レジンセメントで合着されたラミネートベニアが脱離しないのはレジンセメントによる【ラミネートベニア⇔セメント⇔歯質】間の強固なケミカルボンディング(化学的な接着)が成立していることに他ならない。
上記例は極端だが、補綴物の合着において適切なセメントを選択することの重要性を示している。
合着に際し、“適切なセメントを選択する”ためには、各臨床状況・歯質の状況を適切に判断しその“環境に適したセメントを選択できる”ということである。そのためには、各種類のセメントの特性を知らなければならない。
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