上記のようにある意味では歴史的なセメントであるが、歯髄刺激性があり、かつ嵌合効力のみに頼るため、現在では他のセメントの方が有用である。
歯髄刺激性等はなく、また、歯質とも化学的に接着するが、グラスアイオノマーセメントの登場により使用される事は少ない。
逆説的ではあるが、レジンセメントで合着されたラミネートベニアが脱離しないのはレジンセメントによる【ラミネートベニア⇔セメント⇔歯質】間の強固なケミカルボンディング(化学的な接着)が成立していることに他ならない。
上記例は極端だが、補綴物の合着において適切なセメントを選択することの重要性を示している。
このセメントの特徴は、なんといってもフッ素徐放性とリンイオンやカルシウムイオンによる歯質の再石灰化による二次齲蝕予防効果が重要である。もちろん歯質とケミカルボンディングすることも見逃せない。
セメント物性として重要な圧縮強さは、GICは経時的に増加する特徴があるが、製品によってある程度バラツキ(140Mpa〜200Mpa)がある。ちなみに、レジンモディファイドGICにおける圧縮強さはGIC(従来型)と同等であるが曲げ強度は2倍近い。レジンセメントの圧縮強さは200〜300Mpaである。
前処理が不要なものが多い。
従来型GICのハンドリング等を向上させるために登場したのがレジン成分(HEMA)を含んだRMGICである。イメージとしてはGICの中にHEMAチェインと呼ばれるレジン成分が網状に存在し、曲げ強度を向上させている。
ただし、フッ素徐放性ではあるものの、GICと比較するとその徐放量は格段に少ない。カリエスリスクが高いケースや、二次齲蝕予防を最大限達成したい場合は。(従来型)GICを選択すべきであろう。
現在最も主流になりつつあるセメントである。
レジンセメントは、大きく分けて2種類に分類される。
●フィラーを含有しないPMMA系レジンセメント
●フィラー含有しているコンポジット系レジンセメント
動揺歯の固定等に用いるレジンセメント(スーパーボンド等)はフィラーを含有していないPMMA系である。フィラーを含有していないため、靭性に優れ(曲げ応力に対して強い)動揺歯の固定などには適しているものの、咬合力が加わるところなどでは磨耗が生じやすい。
一方、フィラー含有タイプのコンポジット系レジンセメントの硬度は、充填用コンポジットレジンと同等である(フィラー含有率80%前後)。このため、補綴物・レジンセメント・歯質における物性の違いは比較的少なく、長期予後が期待される。
どちらにせよ、歯質・補綴物双方に対し適切な前処理および使用状況にあったレジンセメントを選択することが長期耐久性を担保するために最も重要なことである。使用方法を誤るとまったく効果は望めない。
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