高齢者への薬物投与

薬物動態

・高齢者における経口抗菌薬の体内動態を比較した成績では、
服用後の血中濃度のピーク時間やピーク濃度は症例ごとの差が大きい
食事や飲料水に影響を受けており、胃からの排出速度や胃液酸度の関与が疑われる。

血中半減期は高齢者で延長している
腎機能の低下と肝血流量の低下による薬剤の排泄、代謝の遅れが原因

吸収の遅延や低下のある例も多い

血中濃度の上昇
血清アルブミン濃度の低下により非アルブミン結合薬剤濃度が高まる。
→主作用、副作用ともに強く発現する。

・薬剤の蓄積
体脂肪の増加による脂溶性薬剤の蓄積

 

注意と副作用

半減期の短い薬剤の場合、十分な血中濃度に達することができない恐れがあり注意が必要。一方、半減期の長い薬剤の場合は重篤な副作用を生じる恐れがある。

・高齢者では、長期にわたる抗菌薬投与や、薬剤の併用療法に起因する副作用が現われやすい。若年者では回復する程度の副作用でも、回復が遅れ重篤な症状が現われることがある。

・経口による、アレルギーや食思不振、下痢などに注意を要する。

・菌交代現象によるカンジダ性口内炎やテトラサイクリンやピリドン・カルボン酸系によるふらふら感などの中枢神経障害などにも注意を要する。

消炎鎮痛薬の副作用は胃潰瘍、胃のびらん、アレルギー、腎血流量の低下による浮腫などにも注意が必要。

・痴呆患者では副作用症状を自分で訴えられずに、副作用の発見が遅れることがあるので注意が必要。

・消化器系の副作用による脱水は注意が必要。

 

併用での注意態

●消炎鎮痛剤の重複投与
●制酸剤とテトラサイクリンやピリドン・カルボン酸の併用による抗菌薬の吸収障害
●抗菌薬とワーファリン併用による抗菌剤の吸収障害
●抗菌薬とワーファリン併用による出血傾向などに注意する。

 

併用での注意態

<抗菌薬>
・抗菌力の優れ、副作用の少ない薬剤を常用量で用いる。
・下痢を少なくする工夫を行う。
・コップ1杯の水を飲んでから、薬剤を服用してもらう
・他科での投与薬剤との相互作用などを考慮に入れた上で投薬する。

 

<消炎鎮痛薬>
・セデスGやカロナールなどを用いたほうが良い。
・抗炎症作用が必要な場合はロキソニンやカピステンなど半減期の短いものを用いる。
・胃潰瘍や胃びらんを起こしやすいので食後と胃粘膜保護剤の服用を忘れないようにする。

 

 

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