母体に投与された薬剤は必ず母乳中に出現すると考えてよい。
その濃度は母体の血中濃度、薬剤の脂溶性、イオン化の程度によって左右されるが、一般に出現する量は、母体に投与された全量の1%に過ぎないことが多い。しかし、初乳中には薬剤が移行しやすく、また母親が腎疾患により腎機能が低下している場合は少量の薬剤であっても高濃度で母乳中に移行する。
・生後1週間以内の抱合能(薬物等に他の親水性分子が付加され代謝されること)は成人の1%以下であり、以後生後3ヶ月までに成人の値に近づく。
・腎臓の機能も低いため排泄は低い。
・生後7日以内の新生児の血漿タンパク結合能が低いことも考慮されるべきであろう。
・血液脳関門は生後数日で完成する。
【注意】
抱合を受けて排泄される薬剤が生後早期に投与されると蓄積により副作用が発現しやすい。
血液脳関門が未完成の時期における薬剤投与は危険。
●消炎鎮痛剤の使用
乳児の影響に関してあまり報告されていないが、注意は必要であると考える。
ボルタレンやインダシンは避けた方がよいとの意見もある。
●抗菌薬の使用
・ペニシリンは後に過敏症の危険性を増加させる可能性あり。
・クロラムフェニコールは生後数週間の乳児に関してグレイ症候群をもたらす量は移行しないが、骨髄障害を起こす可能性はある。
・テトラサイクリンの連用により骨・歯牙へ影響する可能性がある。
・ナリジクス酸・サルファ剤は溶血性貧血を起こす可能性がある。
第一選択肢はβラクタム系。
→乳汁中の移行率が低いことはもちろんだが、抗菌力も強く、安全である。
【注意】
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