口腔ケア症例

口腔ケア介入困難事例に対して 新しい口腔ケア手法

新しい口腔ケア手法のコンセプト

新しい湿潤剤の開発コンセプト

湿潤剤を応用した口腔ケアの実際

誤った保湿剤使用例について

口腔ケア

「口腔機能向上大作戦!!」総論1

「口腔機能向上大作戦!!」総論2

歯のケアについて その1(ブラッシング)〜ケアスタッフ情報〜

歯のケアについて その2(歯石)〜ケアスタッフ情報〜

粘膜のケアについて その1(ケアの前に)〜ケアスタッフ情報〜

粘膜のケアについて その2(ケア順序)〜ケアスタッフ情報〜

粘膜のケアについて その3(口腔乾燥に対するケア)〜ケアスタッフ情報〜

介護サービスにおける口腔ケア&リハについて

老人性肺炎アウトライン

加齢と誤嚥

口腔ケアを導入することによる意外な効果

「口腔機能向上大作戦!!」総論

「口腔機能向上大作戦!!」各論〜グループゲーム〜

「口腔機能向上大作戦!!」各論〜評価〜

摂食嚥下メカニズムについて

口腔ケア症例

大分県地域リハビリテーション研究会にて

嚥下反射・咳反射

サブスタンスPとは何か?

嚥下・咳反射とサブスタンスP

ドーパミン補充療法

ACE阻害薬

カプサイシン

食事温度

葉酸・ビタミンB12補給療法

義歯床例

義歯難症例における一対応

口腔ケア 老人性肺炎アウトライン

老人性肺炎

多くの高齢者は脳卒中により寝たきりになり、肺炎で死亡するケースが非常に多い。
要介護高齢者の直接死因の多くは肺炎である。肺炎は日本人の死因別死亡率の第四位であり、肺炎で死亡する患者さんの92%は65歳以上の高齢者であると報告されている。
さらに、加齢と共にリスクが増大する。ただし、加齢自体が肺炎発症の直接的なリスクではなく、加齢によりもたらされる環境が、発症リスクを増大させると考えられている。

65歳以上の方において発症した肺炎=老人性肺炎と定義され、発症状況により、市中発症型・院内発症型・施設居住者肺炎に分けられる。

老人性肺炎の特徴
老人性肺炎は、明らかな肺炎症状を示さないケースが多い為、不顕性のまま進行して重篤な状態になることがある。
精神状態の変化、認知症状態の変化、食欲不振や倦怠感などが認められた場合、注意が必要である。
老人性肺炎の病原菌は口腔内や咽頭部等に存在する細菌であり、これが易感染者である高齢者や有病者の肺に侵入すること(不顕性誤嚥等により)により肺炎を発症(誤嚥性肺炎)すると考えられる。また、胃酸の気管への逆流により発症する化学性肺炎も存在する。
近年、老人性肺炎の病態が明らかになるにつれ、口腔ケアの重要性と脳血管障害の予防が重要視されるようになってきた。
(高齢者の肺炎を予防するためには、口腔内雑菌を減少させることと誤嚥(不顕性誤嚥)を予防することが非常に重要)




老人性肺炎の発症と予防

肺炎による死亡率は、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患についで第4位である(厚生労働省発表の2004年度死因順位)。
特に男女とも、60歳を超えた年齢層での肺炎による死亡率は急激に増加し(グラフ参照)、年間8万人が死亡している。
また、高齢者においては、インフルエンザに罹患した方の4人に1人が肺炎を発症するというデータもあることから、発症前の予防が非常に重要といえる。




上記の事実より、高齢者における肺炎予防は、高齢者のQOLを維持するだけではなく、医療費支出抑制にも関係する非常に重要なものであるといえよう。
日本では高齢者の重症市中肺炎の約50%、院内肺炎の10%が肺炎球菌によるもの(河野 茂ら:日本内科学会誌87(2):4,1998)といわれている。
近年、抗生剤の乱用により、ペニシリン耐性の肺炎球菌は実に50%近くに上るという報告もある。

このような中、80種以上の型のある肺炎球菌のうち、23種類に効果のある肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス、万有製薬)が日本でも使用できるようになった(1997年あたりから。アメリカでは1999年時点で65歳以上の高齢者の約半数が接種)。
その安全性は、インフルエンザワクチンと同程度であることから、肺炎予防として大いに期待されるものである。
ただし、効果持続は5年間といわれているものの、効果は5年後もピークの8割程度は残ると考えられており、その後徐々に落ちていく(個人差あり)。
現在日本では、2回目の摂取は認められていないが、アメリカではハイリスク患者に対して、2回目の摂取(1回目から5年以上経過後)も行われている。一見、非常に有効に思える肺炎球菌ワクチンではあるが、老人性肺炎の発症機序を鑑みると、それだけで万全とはいえない。



老人性肺炎罹患リスクは、肺炎球菌を含め、多面的である。
各論的な検証結果は徐々に明らかになってきているが、臨床の現場において重要なことは「いかに肺炎にさせないか」に尽きる。そのためには、老人性肺炎の病態を総論的に理解し、各々のリスクを均一にコントロールすることが重要であると考えられる。



 

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