長期的な葉酸とビタミンB12の不足は、全身の動脈硬化リスクを増大させ、脳梗塞の発症リスクが増加する.
また、短期的な葉酸の不足欠乏により、ドーパミンの発生を傷害し、嚥下反射低下につながる.さらに、ビタミンB12の欠乏は神経伝達を傷害するため嚥下反射の低下につながると示唆されている.
Satoらは、過去に老人性肺炎を生じた患者の葉酸を測定してみると・15人中13人に低下がみられたと報告している.
葉酸の低下が見られた13症例については以下の通り.
これら患者はホモシスチンも高値を示していたが、ビタミンB12は485±22pg/mlと正常範囲にあった。これらの患者に葉酸を投与したところ,血中葉酸値の正常化とホモシスチン値の低下がみられた。さらに嚥下反射が低下していた状態から正常化し,しかもその後2年間にわたって肺炎の再発を予防できたと報告されている.
葉酸とは??命名はほうれん草が由来である.水溶性ビタミンであり、細胞分裂や繁殖に重要な役割を果たしていると考えられる.欠乏によりDNA合成阻害に伴う大球性貧血(ビタミンB12欠乏による悪性貧血に類似、ただしビタミンB12投与では効果なし)や舌炎、消化器症状、催奇形性リスクの増加が認められる.生体内に貯蔵されづらいビタミンゆえ、高齢者においては欠乏を来たしやすい(消化吸収能の低下、偏食のため).
詳細なメカニズムは不明であるが、葉酸はドーパミンの合成に不可欠であると考えられている.
植物性食品にはほとんど含まれておらず(光合成により生成されない)、摂取は動物性のものからとなる.ビタミンB12は単体では生体に吸収されない.胃粘膜より分泌される内因子と結合することにより腸管より吸収される.胃切除や先天性に内因子が欠乏している場合、ビタミンB12欠乏症に陥る.また、妊娠中や甲状腺機能亢進症では、通常量の摂取では不足する可能性があるので注意が必要である.
欠乏症状の代表的なものは、悪性貧血である.またビタミンB12と様々な結合物質が脳神経系の機能を正常に維持することもわかってきている(脳内のビタミンB12濃度とビタミンB12結合物質量を測定すると、認知症患者のそれは非認知症患者と比較して低下しているとの報告もある).
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