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高齢者・有病者 >> 介護新聞より ~口腔ケア~

口腔ケアの重要性

始めに

本コンテンツは、北海道医療新聞社様が刊行されている「介護新聞」に連載した内容を改変したものです。介護や医療業界で高齢者・有病者に携わっておられる方の一助になればと考え、コンテンツアップします。

口腔ケアの必要性に目覚めたきっかけ

私が高齢者や有病者(以下要介護者)に対する口腔ケアの必要性を切に感じたのは今から3年ほど(2006現在)前のことです。大学からの出張で某訪問歯科クリニックの一員として往診に従事したことがきっかけでした。
そのときの衝撃を今も忘れることは出来ません。一般外来では見たこともないような劣悪な口腔内状態、しかもその事を気に留める歯科医師も介護スタッフも家族もほとんどいない現状に愕然としました。
皆様ちょっと考えてみてください。
丸一日ハミガキをしないとどうでしょうか?(歯垢1グラム中には100億から1000億個の細菌がいる。これは糞便と同じ量)
そのような状態のまま、入れ歯を新しくしても食べることが出来るようになるでしょうか?
健康な方にとってお口の中の手入れはあまりにも日常的な行為です。朝起きて歯を磨く、食後に磨く、寝る前に磨く。しかし要介護者にとってハミガキ(本来はお口のお掃除と言うべき)は日常的な動作とは言いがたいケースがほとんどです。
例えば、洗面所まで歩くのが億劫、うまく歯ブラシを動かすことができない、歯がないからどうでもいい、等々。

そこで私は考えました。一体なぜこんな口腔内が平気で放置されているのだと。
第一に、前述の通りハミガキは健康な人にとって非常に日常的な動作ゆえ、要介護者においてもできて当たり前であると錯覚されていること、そして第二に、ほとんどの歯科医師は健康な方の口腔内を治療・予防することを目的としているため、歯科医院に通ってくることができない要介護者に対する情報があまりに少ないこと、に由来するのではないかと考えました。
以上の事項を鑑み、口腔ケアを軸とした訪問歯科治療のシステムを構築することが急務であると考え、現在に至ります。

私達の試みと口腔ケアのもつ力・・・

私たちは往診依頼を受けた患者様すべてに対し、口腔ケアを徹底的に行わせて頂くことをお伝えします。
在宅の場合は、介助者の助けを得やすく比較的早い段階で口腔内は良い状態になり(約1~3ヶ月)ますが、問題は施設でした。
「ただでさえ、忙しいのに口腔ケアまでは無理です」という現場の声を無視することはできず、私たちが訪れた際に徹底的にケアする程度しか当初は行えませんでした。このような期間が1年ほど続きました。この経験より当たり前だが非常に興味深いことを学びました。
「口腔ケアは日常的に行わない限り意味がない→スタッフや家族の協力が不可欠」ということです。

その後、徐々に介護スタッフの方々の理解を得ることができ、本格的に口腔ケア指導を導入しました。
開始後2ヶ月間は毎週お伺いし、その後隔週としました。最近では、ほとんどすべての方が、月一回の私どもの口腔ケアチェックで十分美しい口腔内を維持されております。
口腔ケア導入当初は、スタッフの皆様にがんばって頂く必要がありますが、ある程度お口の中が綺麗になってくれば、本当に少ない時間で高度のケアが達成できます。
私たちの提案するケアポイントを挙げます。口腔粘膜&口蓋(→スポンジブラシ&洗口剤によるケア)・舌(→舌ブラシもしくは舌清掃に適した歯ブラシによるケア)・歯(→その方の歯の配列や汚れの付き方に応じてお勧めする歯ブラシは違います)・入れ歯(→カンジダ菌を殺菌することのできる入れ歯洗浄剤を使用します)、と口腔内をパーツにわけケア指導しております。
もちろん口腔ケアに必要な最低限のケアグッズは当方より支給しております。

口腔ケア指導を始めて約1ヶ月たったころ非常に興味深い臨床所見がみられました。
口臭消失、慢性口角炎や口内炎治癒、1年以上持続していた入れ歯の痛み消失、運動能力向上、微熱消失、食欲増進、といった効果が認められました。以上のような効果が認められた根拠を以下に列記します。

・ 口腔内細菌数の減少
・ 唾液分泌の亢進
・ 口腔ケアによるリハビリ効果
・ 口腔ケアによるサブスタンスP(嚥下反射を誘発する物質)の増加

口腔ケアを行う意味

一番重要なことは、「要介護者の口腔ケアを行わないことは罪である」ということをしっかりと認識してください。口腔ケアは、お口の中のお掃除という意味ではなく、誤嚥性肺炎や感冒等の感染症予防や口腔周囲筋や周囲感覚に対するリハビリにも繋がります。
また、口腔内状態が悪いと摂食にも影響し、全身の栄養状態低下につながります。お口は呼吸器と消化器の入り口であることをもう一度思い返してください。

  体の入り口である口腔を汚いまま放置されるということは、要介護者にとって非常にリスクの高いことなのです。
スタッフ側から見れば、一度口腔ケア手技を会得するとこれは一生モノです。
また入院病棟や療養施設においては、口腔ケアを導入することにより全身感染症のリスク低下による抗生剤使用量の減少や看護師等のスタッフの労働量も減少します。病床の回転率が向上するとの報告もあります。
また、施設や居宅においては、口臭の予防や疾患予防のためQOLの向上に繋がります。

最後に

介護や医療の現場の方々にとって、一番効率的に口腔ケア手技を学ぶ方法は、高齢者や有病者に対する口腔ケアをしっかりと行える歯科医師・歯科衛生士のケア方法を見ることに尽きると思います。私からの願いは、一人でも多くの要介護の方が人生の最後まで美しい口腔を保たれることに他なりません。
次号は、「口腔ケアを行う上で最低限チェックしないといけない項目」についてお話いたします。

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