口腔ケア症例

口腔ケア介入困難事例に対して 新しい口腔ケア手法

新しい口腔ケア手法のコンセプト

新しい湿潤剤の開発コンセプト

湿潤剤を応用した口腔ケアの実際

誤った保湿剤使用例について

口腔ケア

「口腔機能向上大作戦!!」総論1

「口腔機能向上大作戦!!」総論2

歯のケアについて その1(ブラッシング)〜ケアスタッフ情報〜

歯のケアについて その2(歯石)〜ケアスタッフ情報〜

粘膜のケアについて その1(ケアの前に)〜ケアスタッフ情報〜

粘膜のケアについて その2(ケア順序)〜ケアスタッフ情報〜

粘膜のケアについて その3(口腔乾燥に対するケア)〜ケアスタッフ情報〜

介護サービスにおける口腔ケア&リハについて

老人性肺炎アウトライン

加齢と誤嚥

口腔ケアを導入することによる意外な効果

「口腔機能向上大作戦!!」総論

「口腔機能向上大作戦!!」各論〜グループゲーム〜

「口腔機能向上大作戦!!」各論〜評価〜

摂食嚥下メカニズムについて

口腔ケア症例

大分県地域リハビリテーション研究会にて

嚥下反射・咳反射

サブスタンスPとは何か?

嚥下・咳反射とサブスタンスP

ドーパミン補充療法

ACE阻害薬

カプサイシン

食事温度

葉酸・ビタミンB12補給療法

義歯床例

義歯難症例における一対応

口腔ケア 質疑応答〜2〜

始めに

 
再びケーススタディー形式です。今回は主に、病棟や療養型の施設における口腔ケアに関するケーススタディーを行なっていきましょう。

どのようにすれば病棟内に口腔ケアが導入できるのかわかりません
口腔ケア導入したのですが、時間的余裕がないため良い結果は得られません

 
  この二つが1番よく訊ねられる質問です。繰り返しになりますが、口腔ケアを達成するためには「適切な方法および適切な道具」これに尽きます。
  看護師の方々にとって、口腔ケア手技はそれほど難しいものではありません。一度手技と方法論を学んでしまえば後は応用が利くものです。今まで私達が接してきた看護師の方々は、口腔ケアに関する知識は十分にお持ちでした。足りない唯一のポイントは、専門家が口腔ケア行なっている実際の現場を見られることです。一通りのケースを見学することによって、どのようなもの(口腔ケアグッズ)が必要でどのようなポイントを重点的に行うべきかが見えてくることでしょう。このような視点を病院職員の皆様が持つことが重要です。今までの私共の経験ですと、一部の方のみが頑張られてもなかなか結果に結びつかないように感じます。

 次に時間的余裕がないためなかなか良い結果を得ることができないということについてですが、これを解決することは簡単です。お部屋の掃除を思い浮かべてください。いかなるゴミ屋敷でも一度徹底的に掃除をすれば、後は簡単にキレイな状態を保つことができます。まずやるべきことは、「徹底的に口腔ケアする日」を作ってみてください。このときに歯科医師や歯科衛生士等に協力を要請することも一考です。一度きれいになったお口の中を管理するためにかかる時間はわずかです。そのためにも適切な口腔ケアグッズを使用することをお勧めします。お話を以下にまとめますと、

1・口腔ケア導入に関するコンセンサスを職員の中で得る
2・可能ならば歯科医師・歯科衛生士等とコラボレーションする
3・「徹底的に口腔ケアする日」を決定する
4・可能ならば口腔ケアアセスメントを行い、職員内での到達目標設定する
5・必要な口腔ケアグッズをそろえ、日常の口腔ケア管理をより効率化する

口腔ケアグッズ購入のハードルが高く、あり合わせのものでしか行うことができません


 これも非常によく受ける質問です。口腔ケアグッズ購入の費用は患者様の自己負担になるケースが多いため、現在治療中の疾患と関係ない口腔ケアのために自己負担増を強いることは難しいと考えられるのかもしれません。

  しかし現在、口腔内衛生状態と全身疾患との関係に関する多くの論文が発表されております。特に呼吸器系、消化器系、循環器系の疾患のある場合は口腔ケアを強化することがある意味で本疾患増悪の予防に繋がる可能性も示唆されております(胃瘻造設術前に徹底した口腔ケアを行うことで術後の経過が向上するといった報告もあります)。

  また口腔内を清潔に保ち機能回復を行うことによって、認知症予防や全身栄養状態改善に関する効果も期待できます。このように、口腔ケアを口腔という全身から分断された部位として扱うのではなく、疾患管理・全身状態の改善のために最低限行なわなければならないものとして扱うほうが望ましいと私は考えます(さまざまな意見がございますが、感染源とならないよう空気・栄養の入口である口腔を管理することは当然重要事項ではないでしょうか)。

  以上の観点にたてば、患者さんも納得された上で、口腔ケアグッズをお購入いただけることでしょう。今までの原稿読んでいただいていれば、必要となる口腔ケアグッズはある程度分かると思います。逆説的ですが、そうすることにより病院価値の向上にも繋がるのではないでしょうか?

口の中を見せてくれない患者さんがいて困っているのですが・・・


 このことに関しては以前にもある通り、“口の中を見せてくれない→拒否”ではなく“見せたくない”だけのケースがほとんどです。今現在、私もとある疾患で入院中の身ですが、何か処置をされるたびに「先生なにするんですか?何のためにするんですか?痛くないですか?」と訊ねてしまいます。私は歯科医師なので平気で質問しますが、多くの患者さんは聞けない場合がほとんどです。そのあたりを十分に考慮した上で「お口の中を見せていただけますか?」と対話してみましょう。ただ、皆様ご多忙なので、そのようなお時間を取ることが難しい場合は、ご家族と相談の上、歯科医師にご相談される方が早道かもしれません。

私達より・・・病院における口腔ケア導入の難しさ、そして提案


 今までいくつかの病院から、口腔ケアの導入や指導についてご相談を受けたり実際に現場において口腔ケアを行ったりしてきました。ご相談いただいた病院スタッフの方々は様々な肩書でしたが、結局、介護施設や在宅のようにシステムティックに私達がはまり込むことは困難でした。


 これはひとえに私の力量不足なのですが、もう一点理由を挙げるとすれば、まさに皆様がおっしゃる「対応している時間がない」に尽きるのではないでしょうか。すなわち、口腔ケアに対するコンセンサスは一致しているが時間がない、と言えるでしょう。

  昨年、口腔ケア勉強会を4回主催した結果、「これでは現場は変わらない」と私なりに考えました。口腔ケアに対して意識の高い方々が集まられ、いろんな角度から勉強していくことは重要ですが、いざ職場に戻ると自分たちの思い描いていることを具体化できないのではあまりにもったいないですし、それでは口腔ケア勉強会を行う意味が薄れるのです。

  私達の理念は「患者様のために歯科から何ができるか」と考え活動しているからです。それ故今年からは、施設として・病院としてお願いされた場合に、現場で口腔ケアの勉強会を行おうと考えております。そこで一つご提案です。口腔ケア勉強会等に出席される時は非番ですね。このお仕事ない時間を利用して現場で口腔ケアの勉強会を開催しませんか?そうすることにより、他業務を気にすることなくさまざまなことを学んでいただけるのではないでしょか?

 

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