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高齢者・有病者 >> 口腔ケア症例

口腔ケア介入困難事例に対して ― 新しい口腔ケア手法 ―

全介助における口腔ケアについて・・・

現在、様々な口腔ケア手法が開発され、応用されています。
しかし、全介助による口腔ケアは非常に遅れていると言わざるを得ません。特に意識障害を伴ったり、合嗽が不可能でムセが強くなったりと口腔内に水が使えないなどの条件を有する場合は、口腔ケアが困難になります。
場合によっては、禁水と同時に"口腔ケア禁止"といった指示が出ている場合すらあります。
"口腔ケア禁止"とは、何と厳しい指示でしょうか。皆さんだったら、改善したいと願うはずです。

また残存歯がある場合には、必ずブラッシング(ブラシによる刷掃)が必要です。
清拭だけでは、歯に対するケアとしては不十分です。ブラッシングには水が必要という常識、これも解決しなければいけない問題です。
ここで強調しておきたいのは、意識の有無、経口摂取の有無にかかわらず、どのような状態の患者さんにも口腔ケアが必要だということです。
口腔機能が低下している患者さんには、口腔機能の向上としての保湿が必要です。
そして残存歯があれば、必ずブラッシングが必要であり、粘膜に対しても清掃と刺激を継続することが専門家によるケアには必要です。

上に高度介入の場合の口腔ケアにおける問題点を列挙してみました。これらに当てはまる状況を放置していませんか?
1項目でも思い当たる症例があれば、現在のケアに問題があるといえます。

さて、実際問題として口腔ケアの難易度が高い症例にはどんなものがあるかを紹介します。日常的に取り組んでいる読者の方も多いと思いますが、もう一度実例から考えてみましょう。

1.症例:高度介入による口腔ケアが求められる口腔内の状態

最初に、高度介入による口腔ケアが求められている口腔内の状態を提示します。
この患者さんは脳梗塞発症直後でICU入院中です。意識がなく、気管切開、経鼻経管栄養中です。全介助による口腔ケアが求められている状態といえます。口腔機能が著しく低下しており、唾液も停止しており口腔乾燥状態です。舌や口蓋に堆積物が蓄積しており、口臭も強い状態でした。皆さんがこのような患者さんの担当になったとして、どこから取り組むのが効果的だと思われますか?

2.問題点の抽出:舌や口蓋の堆積物の正体

問題点を抽出してみると、意識障害、口腔乾燥、残存歯の存在がまず大きな問題としてあげられるでしょう。
しかし、それにしても舌や口蓋に蓄積している堆積物は何なのでしょうか。正確に答えられるでしょうか。
以前は「乾燥痰」や「舌苔」「血餅」、さらには「痂皮」などとよばれることがありました。通称「カピカピ」などとよばれることもありました。
しかし、そのどれもが医学的に正確ではありません。われわれはこの堆積物をよく観察し、その一部が生体に固着していることを見出し、上皮に連続した構造物であることを見つけました。さらに病理組織切片の分析により、その正体を確定することができました。

この構造物は「剥離上皮」でした。代謝された上皮の一部だったのです。頭皮でいえばフケ、皮膚でいえばアカです
口腔機能が停止したために、食物や唾液で洗い流されることがなくなり、通常は自然に除去される剥離上皮が堆積してしまったもの
でした。
相手の正体が判明したことで、衛生問題としてこれはケアの対象であることが確定したのです。2000年頃のことでした。
しかし、正体が判明したといっても、剥離上皮のケア手法は手探り状態でした。綿球で湿らしながら少しずつ除去することから始めましたが、その方法ですと毎回のケアに20分も30分も時間がかかります。強く引っ張ると出血しますし、(意識があれば)痛みを与えてしまいます。なんとか良い方法はないものでしょうか。

さらにもう1症例紹介します。要介護度5の寝たきりの高齢者です。
意識はなく、気管切開、冒瘻造設の状態です。特に舌が非常に悪い状態でした。常時開口により口腔乾燥が高度で、舌に可動性はなく、硬く拘縮していました。
写真を見ると、剥離上皮の除去痕が出血斑としていくつも残っています。口腔環境の改善が急務です。しかも、真菌であるカンジダ菌が通常の千倍も検出されました。ベースに口腔乾燥があるのは明白でした。この舌の状態を改善できるでしょうか。

問題点をどのように解決できますか?

これらの困難事例に対して、長らく取り組んできた高度介入の口腔ケア手法がやっとかたちになってきたのは最近のことです。
ここで新しい口腔ケア手法を提案したいと思います。相当にシビアな状態の患者さんであっても、そしてどんな状況の口腔内にも応用できる手法だと思います。それが「保湿からはじまる口腔ケア」です。
口腔ケアには、正統派・亜流・我流を含め実に様々な考え方や手法が混在しています。いったいどのような方法が医学的に正しく、科学的に有効なのか、迷うことも多いのではないでしょうか。ここでは、新しい「保湿からはじまる口腔ケア」手法を提案します。

情報提供:菅 武雄先生(鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座・歯科医師 介護支援専門員)
『参考文献:看護技術Vol.53(2007).メヂカルフレンド社』




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