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コンポジットレジンの劣化に関する検証

コンポジットレジンの劣化に関する検証

邦題 コンポジットレジンの劣化に関する検証
Title Coressive-Wear and Related Properties of ICE and ROK
著者 Nikhil Sarkar, Ph.D.
研究機関 LSU School of Dentistry
発表 Original article
研究概要 コンポジットレジン(以下レジン)の侵食は水分吸収と関連しており、結果としてレジンの劣化を招く。
レジン表層は、咀嚼・ブラッシングにより断続的に磨耗・劣化するが、一方で、修復物の寿命を全うするまで常にリフォームが行われている。
今回、我々が開発した腐食磨耗試験を用い、SDI社のICEおよびROKの腐食磨耗性を検証した。
重量変化・シリカ溶出量・劣化深さ(腐食摩耗試験前後の窩洞深さの変化)についても同時に検証を行った。
関連商品 ICE, ROK, Point4, Esthet,Supreme

方法

腐食磨耗試験は2つの実験手法を用いることにより行われた。すなわち、腐食試験と磨耗試験である。
1:腐食試験概要
1) 重量を測定した3×10mmのレジンディスクを0.1N、60度の水酸化ナトリウム溶液(pH13)に浸漬した。水酸基はレジンの劣化を促進し、生体内での劣化と同様の劣化を示す(Sarkar, 2000)ことがわかっている。
2) 2週間後、ディスクを取り出し、蒸留水で洗浄、乾燥を行った。なお、環境温度は60度を維持する。
3) 重量変化(重量減少)・上記溶液中に溶出したシリカ濃度測定(ICP-AE)、劣化深さ(溶液に露出していたレジン面の)を測定することにより対腐蝕性を評価した。
4) 加えて、腐食した各レジンの表層をSEMにより観察した。

2:磨耗試験概要
1) 4×3mmの円柱状窩洞をセラミックディスクに形成(1つのセラミックディスクに1窩洞)し、各レジンを充填した。
2) 充填後、表層を600番の耐水ペーパーにより研磨、水洗後、腐食試験に使用したものと同様の溶液を用い、60度・2週間浸漬を行った。コントロールとして、腐食試験を行わない試料も作成した。
3) その後試料表層に対し、ソフト毛の歯ブラシ(Oral-B 40)を用い、300mg荷重をかけながら研磨剤入りの混濁溶液中で30分間ブラッシングを行った。
4) 磨耗深さはセラミックディスクとレジン表層の段差を測定することにより計測した。

結果

ICEとROKの腐食磨耗性試験のデータを示す(画像をクリックすると拡大できます)。

Point4とEsthetのシリカ溶出に関するデータはないが、今回実験を行ったレジン以外の同試験データも掲載している{Corrosion:腐食試験(重量減少・シリカ溶出濃度・劣化深さ)、Wear:摩耗試験(コントロール摩耗深さ・腐食試験後に摩耗試験を行った摩耗深さ)}。
商品によって、本試験法による腐蝕性や磨耗性が大きく異なることがわかる。

・重量減少は、Esthet<ICE<Point 4<ROK<Supremeの順に大きくなっている。
・シリカ溶出量は、ICEとROKと比較し、Supremeは統計学的に優位に高い結果となった。
・腐食試験における劣化深さは、Esthet<ICE<ROK<Point 4<Supremeの順に深くなっている。
・コントロールの磨耗深さは、Point4以外においては同様であった。
・腐食試験後に磨耗試験を行ったものの劣化深さは、Supreme以外においては同様であった。

次に、腐食試験後のICEとROKの表層SEM像を示す(組写真の上段)。
黒く抜けているところは、レジンのフィラーがSEM試料作成中に溶けてしまったことによる。
グレイのバックグラウンドは、レジンマトリックスである。腐食試験によるレジンマトリックスの劣化は認められなかった(SEM観察により、研磨傷が実験終了後の試料表層にも確認された←劣化が起こっている場合、これらの研磨傷は認められない)。
ROK, Point4, Esthetも同様の傾向を示した(ROKのみ示す)。

一方、Supremeにおいては、他と異なる傾向が認められた。
腐食試験後の試料表面の低倍率観察では(組写真の左下)、レジン表面から内部にかけて、クラックが認められた。
また、他のレジンの観察像と異なり、フィラーは溶解されず残存しているものの、フィラーとレジンマトリックスの境界が破壊されている。

最後に、腐食試験後の各レジン断面SEM像を示す。
上の2つは、ICEとROKの様子である。一般的に劣化は、水と接する外層の方が内層よりも起こりやすいといえる。ROKについては、少なくとも2つの複層が認められる(組写真の上段)。
劣化が認められる層(レジンの外層:溶液に接していた層)は緻密であり、レジンの内層と抱埋剤に付着している様子が観察された。
同様の劣化特徴が、Point 4. Esthetにも認められた。
しかしながら、Supremeにおいては、他のレジンと比較して劣化層が厚いだけでなく、クラックも認められた(下図)。

結果

実験に供したすべての材料において、腐食は耐摩耗性を低下させることが明らかとなったが、とりわけ、Supremeではその影響が顕著に認められた。
レジンの腐食磨耗性は、表層の腐食の影響を受けた層の厚さだけではなく、レジンの構造学的な要素にも関与するものと考えられる。
Supremeの劣化した脆い外層は、咬合力やブラッシング圧による高度な磨耗を示す傾向があると言えるかもしれない。
このような考察は、SEMによる形態学的観察からも裏付けられる。

今回実験に使用された材料の耐用年数予測における本摩耗性データの妥当性に関しては、in vitro環境下における本実験方法は、in vivo(生体内での実験)研究との関連性がないということを十分に理解したうえで論じなければならない。

しかしながら、我々の多数の商品に関する広範囲な検証や、実際に検証を行っている商品に関する臨床家からの臨床成績データのフィードバックを踏まえると、本実験に使用したin vitro手法は高い確立で臨床成績を予見できるものと考えられる。

本稿では、ICEとROKのin vitroにおける特性に関して検証したが、これら2種のレジンは実際の臨床においても、Point や4Esthetと同等の性能を示すと考えられる。

最後に、ICEとROKの本検証結果を比較すると、重量減少や劣化深さ・劣化形態は異なるものの、磨耗性やシリカ溶出に関しては同等のデータを示したことは興味深い。
このことは、口腔内環境においてもICEがROKよりも比較的耐久性が良いことを示していると考えられる。
どちらにせよ実際の臨床における材料の長期耐久性評価のみが、本実験が臨床的に正しいかどうかを知りえるものである。

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