CPP-ACPについて

概要

う蝕は、微生物が産生した乳酸等により歯質のヒドロキシアパタイト結晶のミネラルが失われることにより進行する病態であり、乳製品がう蝕を抑制するという現象に注目したメルボルン大学の研究グループにより開発されたものがCPP-ACPである。
CPP(Casein phosphopeptide)は牛乳タンパク質のカゼイン由来のホスホペプチドであり、ACP(Amorphous calcium phosphate)は非結晶性で可溶性の性状を有するリン酸カルシウムである。
模式図を以下に示す。


抗う蝕活性を示す食品群として評価されているのは乳製品である。
さまざまなin vivo やin vitro(生体内外)のう蝕モデルを用いて乳製品の抗う蝕作用を検証した結果、乳製品に含有されるカゼイン、カルシウム、リン酸が非常に重要な役割を担っていることが確認された。

牛乳に含まれているカゼイン(リン酸化タンパク質)は、カルシウムおよびリン酸と相互作用することが知られており、また食品由来成分であるため生体安全性は非常に高い。
ゆえに、抗う蝕作用を有するさまざまな食品や予防関連商品における重要な候補物質であった。
しかし一方で、カゼイン特有の性質(味、臭い、舌触りなど)や、非常に高濃度で抗う蝕作用を示すこと、そしてカルシウムイオンの存在下では比較的不溶性であることなどによりう蝕予防商品への応用性に乏しかった。

そんな中、in vivo(ヒト口腔内う蝕モデルを用いた)研究において、カゼインをトリプシン消化(※1)しても抗う蝕能力が低下しないこと、さらにトリプシン消化によりリン酸カルシウムの可溶性が大きく向上し、抗う蝕効果も上がることが示された。
数々の研究により、抗う蝕作用を発揮するこのトリプシン消化物は、カゼインホスホペプチド(CPP)とリン酸カルシウム(ACP)の複合体であると結論付けられた(CPP-ACP)。

さらに、CPPはカゼインのような味の悪さや、アレルゲン性がなく、酸性pHで溶け、抗う蝕能力も非常に高い。



※1 トリプシンとは消化酵素のひとつ。一般的には腸内で活性化され、タンパク質を加水分解してペプトンやポリペプチドにする。

 

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