茶抽出物による歯質脱灰抑制

茶抽出物による歯質脱灰抑制

研究キーワード

茶抽出物,フッ化物,脱灰抑制,マイクロラジオグラフィー

出典

藤野 富久江ら:日歯保存誌50, 302−310, 2007

研究者所属

湘南短期大学歯科衛生士学科

研究概要

緑茶が齲蝕予防に関わっているとの話は多くの方がご存知のことと思う。本研究は、カテキンを除去した緑茶抽出物(PF-4:フッ化物濃度=3,900ug/g)の歯質脱灰抑制効果をフッ化ナトリウムと比較検証している。なお、エナメル質と象牙質を実験に供している。

 

方法
―茶抽出物の調製―
茶葉を10倍量の熱湯に浸漬し80℃で20分間抽出した液をろ過し茶熱水抽出物とし、芳香族系合成吸着樹脂にてカテキン画分を除去した非吸着画分を回収した。これを圧縮後凍結乾燥させ茶抽出物(上記PF-4)を作成した。

―脱灰試験―
エナメル質にはpH4.6の脱灰液を、象牙質にはpH5.0のものを用い脱灰した。

−脱灰緩衝液−
●PF-4
エナメル試料:0.01%(計算上のフッ化物濃度0.39ppm)、0.05%(1.95ppm)、0.1%(3.9ppm)、0.2%(7.8ppm)、0.4%(15.6ppm)
象牙質試料:上記に加え、0.8%(31.2ppm)を用いた。

●NaF
0.4ppm F、4.0ppm Fとなるように調製し用いた。

各試料は37℃で4日間インキュベートされた。

 

―結果―
・PF-4は濃度依存的に脱灰抑制効果を示した。
・PF-4はフッ化ナトリウムに比較して表層に対する再石灰化能は低いが、病巣体部の脱灰を効果的に抑制した。
・PF-4はエナメル質では低濃度、象牙質では低濃度から高濃度にわたり病巣体部の脱灰を抑制した

臨床との融合

上記実験結果より、PF-4は非常に有効な齲蝕抑制、再石灰化促進物質であると言える。特に、脱灰病巣体部における脱灰抑制能力はフッ化ナトリウムと比較しても有望であろう。是非とも原著に目を通して頂きたい。

 

※以下の図表は原著により改変

 

 

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