歯石除去補助材の臨床効果

歯石除去補助材の臨床効果

研究キーワード

歯周基本治療,除石,補助材

出典

山本 幸司ら:日歯保存誌50, 466−470, 2007

研究者所属

新潟大学大学院医歯学総合研究科 摂食環境制御学講座 歯周診断・再建学分野

研究概要

本研究は非常に興味深いものである。歯石除去というと手用・超音波問わずスケーラーにて外科的な処置である。本論文は、著者らは、昭和薬品化工より提供された歯石除去補助材の試作品の効果を臨床的に検証している。

 

―歯石除去補助材―
歯石軟化成分としてグリコール酸、歯石を効率よく見分けるための染色成分として赤シソエキス、食品添加物としてキサンタンガムを構成成分とする。プラセボはグリコール酸のみを成分から除いたものである(外見上の差異はない)。

 

調査対象
新潟大学医歯学総合病院等にて歯周治療が終了し、メインテナンス期に入り3ヵ月後とのメインテナンスに応じている21名(平均年齢52.1歳)を選び、それらの下顎6前歯舌側を対象とした。

 

実験方法
・Plaque Index(PlI), Silness and Loeのプラーク指数、Probing Depth(PD), Clinical Attachment Level(CAL), Volpe-ManholdのCalculus Index(CI1)(←歯石指数)を測定した。
・デントマキシマを用いてTBIを行った後、下顎6前歯の左右いずれかに歯石除去補助剤またはプラセボを塗布した。左右薬剤が混ざらぬよう簡易防湿及びプラスティックマトリックスで分離した。
・塗布後7分放置し作用させた後、十分に洗口し帰宅させた。
・一週間後、CIを測定し(CI2)、その後超音波スケーラーですべての歯石を完全除去できるまでの時間を測定した(十分に経験をつんだ歯科医師、歯科衛生士が行った)。

 

結果
・処置前に測定したPlI、PD、CALについて歯石除去補助剤群とプラセボ群の結果に有意差はなかった(どちらも臨床的に同じ状態であった)。
・歯石除去補助剤群において、1週間のブラッシングで歯石指数の有意な減少(CI1‐CI2)が認められた。プラセボ群では認められなかった。
・歯石完全除去にかかる時間は、歯石除去補助剤群(32.4±3.69秒)のほうがプラセボ群(45.2±4.5秒)よりも有意に短かった。

臨床との融合

歯石の蓄積や除去には様々なファクターが絡むため、一概にすべて歯石除去補助剤による効果であるとはなかなかいいがたいが、何らかの補助的効果があることは確実であろう。現在歯石は人間の歯周病だけではなく、愛玩動物においても解決しなければならない重要な健康阻害因子として注目されていることに言及しておく。

 

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