結論と考察
堀本 進
横浜船員保険病院歯科口控外科

結論

今回行った症例評価は限局されたものではあるが,重症のOLP患者にプラチ・ナノテクトを用いたところ良好な結果を得た。



考察 現在の扁平苔癬に対する対応方法

OLPは原因不明の角化異常を伴う難治性の慢性炎症性疾患であり,その主訴は摂食時の刺激痛とされている3,4)ため、本疾患に対する臨床的対応の主たるものは,炎症性特性に対する抗炎症治療ということになる。

近年OLPの炎症に活性酸素が関与しているという報告が多くみられ5−9),抗酸化作用を有する薬剤の応用が注目されている。たとえば松村らはOLPの免疫組織化学染色により,活性酸素の関与を示唆している。一方,本疾患の治療に関しては,従来BA(セファランチン)などがOLPに対して用いられてきており,良好な結果を得ている。AkamatsuらはBAが活性酸素種のスカベンジャーであると報告しており10),原田らは実際に長期間患者にBAを投与し,OLP患者の改善時には末梢血好中球のO2−産生能の有意な抑制が認められたと報告している6)。しかし今のところOLPに対してBAは保険適用がなく,臨床的には患者に用いることは難しい。

同様にアロプリノ−ル含嗽液を活性酸素種のスカベンジャーとして用いた報告があり8),さらにはOLP上皮の細胞間接合強化という新しい観点からマレイン酸イルソグラジンを用いる試みも行われている11)。しかしいずれも一般的な治療法とはいえない。

このように,いまだ十分な解明がなされておらず治療方法が確立されていないOLPであるが,治療に際しては活性酸素のコントロールが一つの鍵になっているものと思われる。

 

タイプ別 扁平苔癬に対するラジカルスカベンジャーの応用→





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