・糖尿病
唾液の分泌能を低下させるので義歯による褥瘡を生じやすく、また創傷の治癒も遅延させるので注意が必要。この他にも、唾液の分泌に影響を与える疾患として唾液腺腫瘍、シェーグレン症候群、ミクリッツ症候群、放射線障害などがある。
・貧血、栄養不良、高血圧
粘膜の耐性が低下し、義歯による褥瘡が生じやすくなる。
・メジャートランキライザー
口腔乾燥症やオーラルディスキネジアを引き起こすこともある。
・舌
歯の欠損により、舌は欠損部を塞ぐように弛緩し、無歯顎の状態では、その歯列部分にも占めるようになることがある。
下顎義歯の辺縁封鎖は義歯舌側において、前方では口腔底と接触することにより、遠心では舌側研磨面と舌外側面との接触により得られる。舌の位置異常や運動異常は下顎義歯の安定を大きく損なう。
舌は大きく開口させると反射的に後退するので、舌の位置の診査は軽く開口させた状態で患者に意識させない状態で行う。
この時、舌が後退位を呈していても、ピンセットで軽く舌体を叩くと筋が弛緩して安静位に復帰することがある。舌の位置異常では、舌が後退し口腔内の後下方にあり口腔底が低位なものと、舌体が後上方に牽引され口腔底が挙上するものに分類される。これら舌の後退位では舌側の辺縁封鎖を確保することが難しくなる。
・唾液
唾液の分泌量が減少すると、口腔粘膜は滑らかさを欠き、頬や口唇が義歯に粘着し、嚥下や咀嚼が難しくなる。口腔の自浄作用の低下により、感染や炎症を起こしやすくなる。
総義歯にとって理想的な唾液の状態は、漿液性の唾液が中程度に分泌することである。
【参考文献】
無歯顎補綴治療学 医歯薬出版 細井 紀雄
総義歯臨床の押さえどころ 医歯薬出版 小林 賢一
コンプリートデンチャーテクニック 医歯薬出版 細井 紀雄
入門 無歯顎補綴学 医歯薬出版 市川 哲雄
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