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保存修復学 >> ボンディングレジンを理解する

リン酸エッチングの歴史

リン酸エッチングの歴史

1950年前後、ペンキ職人が、家の外壁にペンキを塗るとき、ペンキののりを良くする為にリン酸で被塗布面を処理しているのを見たのが、歯質にリン酸エッチングを応用するきっかけになったと聞いている。具体的には、1955年Bounocoreがエナメル質をリン酸で処理しレジンを接着させたのが、レジン接着における歯面処理の始まりである。

当時はリン酸エッチングの対象となるのはエナメル質のみであり、象牙質へのリン酸使用は禁忌であると考えられていた。その理由は、窩洞形成により象牙質表層に形成されたスメヤー層が歯髄への刺激を遮断する保護層としての役割を果たすと考えられていたため、リン酸エッチングにより除去することは、治療予後を悪くすると考えられていたからである。仮に象牙質に対し表面処理するとすればEDTAなどのマイルドな薬剤を使用していた。

すなわち、リン酸エッチングの歯面応用が始まった当初は、エナメル質をリン酸でエッチングすることで接着阻害因子を除去し表面積を増大させることにより機械的にレジンを歯質に接着させていたのである。さらに、象牙質に対しての接着はほとんど成しえていなかったといえる。さらには、象牙質を避けてエナメル質のみにリン酸エッチング処理することは臨床的に非常に煩雑であり、あまり普及しなかったといえる。しかしその後、日本によるレジンモノマーの開発により、象牙質へレジンモノマーを浸透させることが可能となったため、エナメル質と象牙質を同時にリン酸エッチングする手法、すなわち、トータルエッチング、が一般的となり、徐々に世界的にトータルエッチングの接着システムが理解され、採用されるようになっていった。その後、日本においてさらに研究が進み、歯面のエッチング処理とレジンモノマーの浸透を同時に行いえるシステムが開発され(セルフエッチングシステム)、リン酸エッチングによる歯面処理ステップが省略された製品も登場した(近年はセルフエッチングとボンディングを同時に行いえるワンステップ(オールインワンともいう)ボンディングシステムも各社から販売されているが、その長期耐久性は研究中である)。

歯面処理材について

前述の通り、歯面処理ステップが簡略化されている商品も多くあるが、一般的に歯面処理を行う場合は、エナメル質と象牙質を同じ処理材を使用する。30%程度のリン酸水溶液に増粘材を添加しゼリー状にして色付けされたものが多い(シングルボンドに付属しているブルーの歯面処理材など)。また、410%のクエン酸に3%の塩化第二鉄を加えた処理材が-META(レジンモノマーの一つ、後述)系の接着システムに使用されることが多い。

参考
保存修復学21、第3版、永末書店 他

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