本コンテンツでは、過去から現在まで使用されている歯科用セメントを簡単に復習することを目的とする。なお、各セメントの詳細については他コンテンツに譲る。
歯科用セメントの歴史と種類を以下に示す。
各々の概略と歴史について振り返ろう。
リン酸亜鉛セメントは、100年以上前に開発され、20世紀において最も使用されていた歯科用セメントである。本セメントの物性ならびに操作性は粉液比に大きく左右され、術者の練和手技が非常に重要となる。練和は分割練和法が推奨される。
ちなみに、歯髄刺激性があり、また、歯質や金属に対する接着性はない。
そんな中、1968年にD.C.Smithがカルボキシレートセメントを開発した。本セメントは、リン酸亜鉛セメントが有していない歯質や金属に対する接着性があるとともに、歯髄刺激性も非常に低いという特徴がある。
さらに、1972年、A.D. WilsonとB.E. Kentは、20世紀初頭から歯冠色修復材料として利用されていたシリケートセメントに変わる材料としてグラスアイオノマーセメントを開発した。当時は、修復用材料であったが、後に、合着用セメントとしても利用されるようになる。硬化反応は、成分中の酸−塩基反応により起こる。
長期的に歯質と材料間でイオン交換反応が起こると考えられている。
グラスアイオノマーセメントの物性をより向上させるために、グラスアイオノマーセメント成分の中にレジン成分の一種(HEMA)を配合したセメントである。硬化反応は、グラスアイオノマーの酸−塩基反応とレジンの重合反応により起こる。
グラスアイオノマーセメントと同様、歯質と材料間でイオン交換反応が起こると考えられているが、反応するイオン量はグラスアイオノマーと比較して少ないと考えられる。
レジンセメントは、その名の通りレジンのセメントである。歯質に対して接着するだけでなく、修復物に対しても接着させることができるので窩洞形成において保持形態を付与する必要性が低いといわれている。ただし、被着面(歯質及び修復物)に対する表面処理を確実に行うことは非常に重要である。PMMA系レジンセメントとコンポジットレジンセメントの2種類存在する。
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