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シカダス >> 口腔ケア総論

介入レベル別の口腔ケアの組み立て方について

はじめに

菅 武雄 森戸光彦
鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座・歯科医師、介護支援専門員 同・教授

口腔ケアの手法の一例として、ここでは「介入レベル別口腔ケア」を紹介します。これは、対象者の口腔ケア自立度に応じた分類で、介入の程度を3つのグループに分けて考える方法です。これは一律のケアから一歩前進させよう、という個別のケアの入り口になります(菅武雄:口腔ケアハンドブック、日本医療企画、 2002参照)。概略を以下に示します。

1.軽度介入による口腔ケア

口腔ケアの自立度が比較的高く、セルフケアが一部可能な場合には、口腔ケア介入は最小限に抑えます。通常の歯ブラシで不十分な場合は、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助的清掃用具を指導します。関節リウマチや麻痺によりブラシ保持に問題がある場合には、柄の改造を行い、自力清掃を支援することも軽度介入です。また、認知症や記憶に障害があるような例では、声かけだけで口腔ケアが可能になる場合もあります。
軽度介入の場合は、いずれも自立支援の要素が強く、「衛生」に対するアプローチが主体になります。そして、「衛生」をサポートする「環境」も介入ポイントです。

2.残存歯のケア

口腔ケアの自立度がさらに低下している場合には、中等度の介入が必要です。 「衛生」に対する中等度介入は、この段階から直接介入、すなわち介助による清掃が必要になります。患者本人による清掃の状態を確認し、不十分な部分があれば、仕上げのブラッシングを行います。ブラッシングは、用具としてセルフケア用品をそのまま使う場合と、介助用の歯ブラシが必要な場合があります。
また中等度介入は、プランニング段階で「介入期間」も検討することになります。つまり、回復期であるのか、維持期なのか、終末期に向かう場合なのかによって目標期間が変わるからです。求められているのはライフサイクルを加味した介入プランです。一番問題になるのは回復期の口腔ケア介入で、本人の回復が得られて自立度が高まっているのに同じ介入を続けてしまって、本人の自立を阻害してしまう例があります。

「機能」への介入も中等度介入の口腔ケアの重要項目です。口腔機能は、咀嚼機能・嚥下機能・発音機能が3大機能です。口腔ケア介入が直接的に機能の向上につながることがわかってきていますし、介護保険制度に新しく導入された介護予防にも「口腔機能の向上」として対高齢者施策の一環として広まってきています。そして「機能」を支える「環境」づくりがここでのポイントになります。 「衛生」も「機能」も環境が整わなければ提供することができません。この場合の「環境」は、看護の環境たとえばスタッフのスキルやローテーションも含まれますし、当然のことながら口腔内環境の改善・維持も「環境」です。

口腔ケアの介入を行う場合には、3要素すなわち「環境」「衛生」「機能」をバランス良く継続的に提供できるプランニングが必要です。
患者が義歯を装着している場合は、義歯の管理も介入項目になります。義歯はなかなかやっかいな装置で、それだけで特集が組めてしまうほど奥が深いものですが、ここでは簡単に管理と保管だけに触れます。
義歯の管理で重要なのは着脱・清掃・保管です。機能時に装着し、毎食後に清掃、夜間ははずして義歯洗浄剤に浸けて保管します。そして食事以外の昼間の時間帯は本人の自立度とケアの目が十分かどうかで装着するかどうかを決める、といった点が基本になります。

3.高度介入による口腔ケア

口腔ケアに全介助のケアが必要な状態の場合は、高度介入による口腔ケアが必要になります。
「衛生」「機能」の全介助はもちろん、「環境」を含めたすべてに積極的な介入が必要になります。高度介入が必要な対象者の多くは意識障害を伴い、口腔機能がきわめて低下している状態ですので、最初に「環境」の改善を行い、そのうえで「衛生」と「機能」に対するアプローチが必要になります。
まず「環境」ですが、口腔乾燥の有無が第一関門です。口腔乾燥を放置していては良いケアは構築できません。口腔機能の低下による唾液流出量の低下、開口状態の持続や呼吸管理による条件など、口腔環境は悪化しています。それが最も顕著になるのが口腔乾燥状態です。まず、「環境」を整え維持することに取り組みます。
次に「衛生」と「機能」ですが、介助用の用具や機器も必要になります。最近、やっと市民権を得たスポンジブラシは全介助による口腔ケアに非常に有効な用具です。そして残存歯がある場合にはブラシによる刷掃が必要となります。歯ブラシはプラーク(細菌)を物理的に破壊する役目があります。
対象者のケア時の体位制御も大切です。仰臥位で起き上がれず、自力含嗽も不可能な場合が多いので、頭部だけでも側方位がとれるか、それも不可能かによって用具と口腔ケア方法が変わってきます。ムセが強い場合も対策を検討しなければいけません。
咽頭に水を落下流入させない方法としては、他のページで紹介する口腔湿潤剤を応用したブラッシングのほか、給水機能に加え吸引機能がついたブラシを用いる方法もあります。

情報提供:菅 武雄先生(鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座・歯科医師 介護支援専門員)

参考文献:
・看護技術Vol.53(2007).メヂカルフレンド社

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