OralStudioサイトのご利用ありがとうございます。
本サイトは医療従事者及び歯・医学部系学生の方へご提供することを目的として作成しております。
一般のお客さまへの情報提供を目的としたものではありませんのであらかじめご了承ください。
本サイトのポリシーに同意いただけますか?
   
※「はい」をクリックした場合、一定期間保存され次回以降の承認のお手間を省きます。
あなたの歯科医がきっとみつかる:Oral Studio 4U
会員登録【無料】隔週で最新の歯科情報をお届け

シカダス >> 保湿・湿潤剤について

広がる湿潤剤の応用範囲

湿潤剤の可能性

菅 武雄 奥野典子 木森久人
鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座・歯科医師

口腔湿潤剤は日常臨床に広く応用可能であることがわかってきました。常時の保湿の手法により、口腔粘膜の状態を改善させることで義歯を装着している患者さんたちには大きな福音をもたらしました。義歯のなじみを改善し、こわばり感を改善することで、快適な義歯使用を助けることができるようになってきたのです。また、唾液腺の機能障害を引き起こすシェ-グレン症候群の患者さんには、唾液不足を補う対症療法として効果を上げています。さらに、これまで対応に苦慮していた様々な訴え、味覚障害や不定愁訴などとよばれる理解困難な訴え、そして原因が複雑で一筋縄では対応できない舌痛症などに対しても応用が試み始められていて、効果を上げています。
いずれも口腔環境を改善し、自己治癒能力を助ける、いわば「口腔内科」的なアプローチであるといえます。いくつか症例を提示します。

具体的な4症例について

口腔湿潤剤を使用したことにより、臨床的に効果があり、また患者自身のQOL向上に繋がった症例を簡単ですが、以下に示します。

症例1:COPD患者
在宅酸素療法を受けていた。口腔乾燥が高度で、粘膜の脆弱化により義歯の使用が不可能な状態で16年間も義歯が使用できない状態であった。口腔粘膜の疼痛が強い。
口腔湿潤剤使用により口腔粘膜の改善が得られ、義歯が使用可能となった。

症例2:シェーグレン症候群患者
79歳の女性。2、3年前から口腔乾燥感を自覚しはじめ、徐々に悪化。半年前から味覚障害が出現し、舌痛を認めた。初診時口腔内を診ると、舌は乾燥し、発赤、舌乳頭萎縮、溝状舌が認められた。

頬粘膜など舌以外の粘膜も乾燥しており、発赤が認められた。そのほか口腔内診査では舌下小丘萎縮があり、耳下腺、舌下腺からの唾液流出はほとんどなかった。味覚異常を訴え、塩酸セビメリン剤にて唾液量は増加したが、味覚障害は改善しなかった。口腔湿潤剤を併用することで、約10日で味覚の回復を得られた。

症例3:ドライマウス患者
73歳女性。 「唾液がすごく少ない」との訴えで来院。 5か月前から口腔乾燥感、味覚異常が出現。

初診時Candida albicansが104CFU検出されたので、抗真菌薬を処方したが症状改善せず。湿潤剤使用にりVAS評価(患者本人による主観評価)で乾燥感9.5→5.9、のどの渇き9.4→5.7、味覚異常9.3→3.9に改善。カンジダ菌も5CFUまで減少した。

症例4:舌痛症患者
舌痛症状が強く、刺激物だけでなく、塩分を含むものも痛くて口にできない状態であった。体重が20kg減少したところで、主治医から摂食障害と診断され当科受診。舌は平滑舌を呈していたが、器質的な疾患は発見できなかった。舌の痛みから義歯もまったく装着できない状態であったが、口腔湿潤剤の応用により1週間で義歯の装着が可能になった。

情報提供:菅 武雄先生(鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座・歯科医師 介護支援専門員)

参考文献:
・看護技術Vol.53(2007).メヂカルフレンド社




このエントリーをはてなブックマークに追加
歯科技工所検索システムについて詳しい資料をみる 歯科技工所情報を登録する スマートフォンから歯科技工所情報を登録する
健口くんは口腔機能の評価方法オーラルディアドコキネシス、反復…
シンプルなフォルムにきれいなパステルカラーとライフスタイルに…