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歯質の脱灰と再石灰化について

タイプ別 扁平苔癬に対するラジカルスカベンジャーの応用

堀本 進
横浜船員保険病院歯科口控外科

角化層を伴うタイプ

 

病理組織学的にOLPをみると,表層から角化の亢進,顆粒層の肥厚,基底層の変性,上皮直下の帯状リンパ球浸潤が観察できる。このような定型的な病変部では,いわゆる抗酸化作用を期待する物質が病変部に供給されても,角化層がバリアとなり炎症部に到達しえないため,BAのような全身投与でしか効果が期待できない

 

炎症の強いびらんタイプ

炎症の強いいわゆるびらん型と呼ばれているタイプは角化層が菲薄化しているか欠如しており,上皮下の炎症性細胞が露出した状態である。その場合は抗酸化作用を有する物質は炎症部に到達しうることになる(図)。アロプリノ−ルを用いた則武ら8)は,抗酸化作用を有する同剤が発赤やびらんを伴う症例には有効であったが,網状型や白斑型では効果が弱かったと報告しているが,それも同様の理由によるものと考える。

 

びらん型扁平苔癬に対するプラチ・ナノテクト奏功根拠

 

今回OLPに対する活性酸素スカベンジャーとして,プラチ・ナノテクトを潰瘍やびらんを伴う重症OLPに用いたところ,たいへん良好な結果を得た。対象とした症例は,潰瘍やびらんを呈する症状の強い重症例であった。既述のごとくこれらの症例では,口腔含嗽によって病変部に到達した白金ナノコロイドがびらん・潰瘍面を経由して上皮下に到達し,その抗酸化作用によって消炎効果を得たものと考えられた。同様の効果を期待しうる他の薬剤もあるが,白金ナノコロイドはすべての活性酸素に対し触媒として作用し,優れた抗酸化作用を期待できる。今後はより病変部への到達・維持定着が望める形態もしくは投与方法について,詳細に検討すべきであろう。

 

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参考文献
1) Kajita M, Hikosaka K, Iitsuka M, Kanayama A, Toshima N, Miyamoto Y : Platinum nanoparticle is a useful scav−enger of superoxide anion and hydrogen peroxide. Free Radical Research, 41 (6):615−626, 2007
2)小城賢一:新・臨床に役立つすぐれものプラチ・ナノテクト. Dental Diamond, 30 (16) : 154−157, 2005。
3)橋本和明:口腔粘膜の扁平紅色苔癬に関する研究。口科誌, 18 : 660−685, 1969。
4)浅田洸一,山本英雄ほか:口腔扁平苔癬の臨床病態の検討. 日口外誌, 39 :462−467, 1993。
5)松村由香,宇都宮忠彦ほか:口腔扁平苔癬の免疫組織化学的研究一殊に炎症性特性について一. 日大口腔科学, 30 : 89−95, 2004。
6)原田利夫,成相義樹ほか:口腔扁平苔癬に対するBiscoclaurine Alkaloids (Cepharanthin)の効果一患者末梢血好中球の活性酸素(O2−)産生能と血漿サイトカインレベルに関する検討−。歯薬療法, 23 :46−53, 2004。
7)野村由香,米田和典ほか:ステロイドを中心とした口腔扁平苔癬の治療とその限界。口科誌, 44 : 644−651, 1995。
8)則武正基,神谷博昭ほか:口腔扁平苔癬に対するアロプリノール含嗽液の使用経験。歯薬療法,20 : 125−129, 2001。
9)野口忠秀,神部芳則ほか:口腔扁平苔癬におけるSODの発現に関する免疫組織学的検討。日口粘膜誌,11 : 48−53, 2005。
10) Akamatsu H et al : Effects of cepharanthin on neutron-phil chemotaxis, phagocytosis, and reactive oxygen spe-cies generation. Dermatology, 18: 643-648, 1991
11)李進彰,村岡重忠ほか:口腔扁平苔癬に対するマレイン酸イルソグラジンにおける臨床的効果の検討。日口粘膜誌, 9:26−33, 2003。

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