悪性腫瘍の原則は癌細胞を完全に根絶することにある(根治性)。病期にもよるが、治療の多くは外科的切除が第一選択となる。つまり、根治するためには、腫瘍の浸潤性増殖という性質を考慮して安全域(safety margin)が必要となる。しかし、特に口腔顎顔面領域では、外科的治療によるQOLの低下は著しく、避けられない。このように外科的治療を選択した場合は、QOLを考慮した形態と機能の温存を目的に、術前治療(放射線療法や化学療法による腫瘍の縮小化)や再建術を行うことが多い。以下にそれぞれの治療法の長所・短所を列挙する。
| 長所 | 短所 | |
|---|---|---|
| 外科治療 | 組織型や原発部位に影響されず、根治性が高い。 | safety marginが必要。 形態的、機能的障害を残すことが多い。 全身的侵襲が大きい。 |
| 放射線治療 | 形態的、機能的障害を残すことが少ない。 全身的侵襲が少ない。 |
組織型や部位により十分な効果が得られない。 (悪性リンパ腫や扁平上皮癌には有効なことが多いが、腺癌、転移癌、顎骨内の癌には有効でないことが多い。) 後遺症(放射線口内炎、放射性潰瘍、放射性骨髄炎) |
| 化学療法 | 形態的、機能的障害を残すことが少ない。 | 単独の効果が低い。 高度の合併症を伴う。 (骨髄機能低下、嘔吐、悪心、腎障害、脱毛など) |
最近では、治療効果を高め、かつ術後の形態的、機能的障害を最小限にとどめる目的で複数の治療法を適切に併用する集学的療法が行われることが多い。また、リンパ節がある場合やリンパ節転移が疑われる症例に対しては、原発巣の外科的切除と同時に頚部リンパ郭清術を行う。
一般的に、悪性腫瘍は根治手術を行っても現実的には再発することも多く、かつ自然治癒も見込めないため予後は不良である。特に肉腫は癌腫に比べて極めて予後不良である。予後を判定する指標として、5年生存率が用いられることが多い。
参考
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