顎骨骨折について 3

骨折の治癒過程

 

 骨折の治癒には、臨床的に1次治癒と2次治癒に分類される。

一次治癒は骨折断端が密接している場合に見られる治癒で、肉芽組織の増生はなく、直接骨のリモデリングが起きる。

一方、二次治癒は、骨の離断を伴う場合の治癒過程で、病理学的に炎症期、修復期、リモデリング期に分けられる。

骨折により、骨断端の壊死と出血がまず起こり、すぐに骨髄腔や骨膜下、軟組織下におおきな凝血塊が形成される。やがて凝血塊の中に新生毛細血管が伸長し、炎症性反応により毛細血管の拡張と透過性亢進によって、白血球やマクロファージが集積し、壊死組織や細菌、異物の貪食が進行し、同時に骨端間における線維芽細胞の増殖による線維形成によって徐々に器質化していく。(炎症期)1週間後には外骨膜より骨芽細胞の分化・増殖し、軟骨と線維性骨による仮骨が形成されるとともに、骨髄腔においても骨膜同様に、血管の新生と反応性の線維性骨を見る。(修復期)骨折後数ヶ月すると、骨断端を塞ぎ成長した仮骨が、破骨細胞と骨芽細胞によって、重力と機械的力に沿ってリモデリングされ、皮質骨が形成される。(リモデリング期)

 

顎骨骨折の後遺症

 

 顎骨骨折に多く見られる後遺症として、形態的なものと機能的なものに分けられる。

まず、形態的後遺症としては、瘢痕や顔面神経損傷にともなう顔貌の偏位である。瘢痕収縮は形成外科的に二次手術を行うことが多い。

一方、機能的後遺症は、主として神経の損傷に伴うことが多い。具体的には、顔面神経損傷による表情筋の運動障害や味覚障害、三叉神経損傷による咀嚼筋や舌筋などの運動障害や皮膚の知覚異常、言語障害などが挙げられる。その他にも、歯牙損傷に伴う補綴処置などがある。

 

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参考
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