分子標的薬

概要

 

癌細胞の持つ特異的な性質を分子レベルでとらえ、癌細胞を狙って作用するため、副作用をより少なく抑えながら治療効果を高めると期待されている。しかし、正常細胞に全く作用しないわけではなく、一部の分子標的薬には重い副作用が起こることも報告されている。標的分子がわかっているだけに、その分子を調べれば、効くかどうかを投与前に有る程度予測できる場合もある。

 

具体的な薬剤

 

●イマチニブ(グリベック)
慢性骨髄性白血病と消化管間質腫瘍(GIST)

●エルロチニブ(タルセバ)
切除不能な再発・進行性の非小細胞肺癌。チロシンキナーゼのはたらきを阻害して、癌細胞の増殖を抑える。

●ゲフィチニブ(イレッサ)
世界に先駆けて日本で承認された分子標的薬。副作用などに対する十分な認識がないまま安易に投与されたケースが多かったこともあり、間質性肺炎による死者が相次いで問題になった。

●ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ)
再発または難治性で、CD33抗原が陽性の急性骨髄性白血病

●スニチニブ(スーテント)
消化管間質腫瘍(GIST)と腎臓癌。血管新生に関与するVEGF受容体と、腫瘍増殖に関与するPDGF受容体などを標的としている。

●セツキシマブ(アービタックス)
治癒切除が不可能な進行・再発の大腸癌。

●ソラフェニブ(ネクサバール)
腎臓癌を対象としたはじめての抗癌剤。細胞の増殖や癌に栄養を運ぶ血管新生に関わる複数のキナーゼを標的としている。

●タミバロテン(アムノレイク)
白血病の中でも特殊な急性前骨髄球性白血病(APL)

●トラスツズマブ(ハーセプチン)
HER2陽性の乳癌。癌の細胞表面のHER2と呼ばれるたんぱく質だけに作用して、癌細胞の増殖を阻害する分子標的薬。

●トレチノイン(ベサノイド)
急性前骨髄球性白血病。白血病細胞を成熟させ、癌化を抑える。

●ベバシズマブ(アバスチン)
治癒切除が不可能な進行・再発の大腸癌。世界初の血管新生阻害薬。

●ボルテゾミブ(ベルケイド)
骨髄腫細胞の増殖を抑制。プロテアソーム阻害剤。

●リツキシマブ(リツキサン)
B細胞性非ホジキンリンパ腫。標準治療とされてきたCHOP療法にリツキシマブを加えたR-CHOP療法は、新たな標準治療となりつつある。

 

 

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