アルキル化剤

概要

 

マスタードガスの研究から開発された、細胞障害性抗癌剤の代表的な薬。アルキル基と呼ばれる原子のかたまりを癌細胞のDNAに付着させ、らせん状にねじれた二本のDNAを異常な形で結合させて、DNAのコピーができないようにする。アルキル化基が結合した状態で癌細胞が分裂・増殖しようを続けようとすると、DNAがちぎれてしまうため、癌細胞は死滅。体内で一定の濃度に達すると作用し、白血病や悪性リンパ腫などに特に効果が認められているが、骨髄抑制などの副作用が強いことも知られている。

 

具体的な薬剤

 

●イホスファミド(イホマイド)
小細胞肺癌、前立腺癌、子宮頸癌、骨肉腫、胚細胞腫瘍、悪性骨・軟部腫瘍など。シクロホスファミドと似た構造。

●シクロホスファミド(エンドキサン)
小細胞肺癌に対するCAV療法や悪性リンパ腫に対するCHOP療法などの中心薬剤として使われる。世界中で最もよく用いられている抗癌剤の一つ。

●ダカルバジン(ダカルバジン)
メラノーマ(悪性黒色腫)に最も有効であり、ほかにはホジキン病、軟部肉腫など。癌細胞の遺伝子DNAの複製を阻害し、細胞の分裂周期には無関係に作用。

●テモゾロミド(テモダール)
脳腫瘍(再発もしくは進行した退形成性星細胞腫や多形成膠芽腫などの悪性神経膠腫)。脳血液関門を通過できる新しい経口タイプ。

●ニムスチン(ニドラン)
脳腫瘍。ニトロソウレア系で分子量が小さいため、脳血管の特殊構造(血液脳関門)を通過して脳に入ることができる。

●ブスルファン(ブスルフェクス、マブリン)
内服剤は、慢性骨髄性白血病。注射剤(ブスルフェクス)は、造血幹細胞移植の前処置として大量投与される。

●プロカルバジン(塩酸プロカルバジン)
悪性リンパ腫(ホジキン病、リンパ肉腫、細網肉腫)、および悪性脳腫瘍の大半を占める神経膠腫。PAV療法(プロカルバジン+ニムスチン+ビンクリスチン)や、それにインターフェロンを加えたPAV-フェロン療法として用いられる。癌細胞がDNAやRNA、たんぱく質を合成するのを阻害することで、抗腫瘍効果を発揮する。

●メルファラン(アルケラン)
多発性骨髄腫では、プレドニゾロンを併用するMP療法。また白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、小児固形癌の造血幹細胞移植の前処置にも投与される。

●ラニムスチン(サイメリン)
多発性骨髄腫や慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫などの多剤併用療法、脳腫瘍。ニトロソウレア系のアルキル化剤。

 

 

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