癌の種類によっては、特定のホルモンによって増殖が促進されることがあり、そのホルモンの分泌が止まると、癌病巣も縮小する。この仕組みを利用して癌の増殖を抑える治療法をホルモン療法といい、乳癌の治療では特に効果をあげている。ホルモンは、反作用をもつ別のホルモンによって分泌が促進されたり、抑制されたりする性質がある。そのため、男性ホルモンのテストステロンにより増殖が促進される前立腺癌の治療にはエストロゲンなどの女性ホルモン剤が用いられ、反対にエストロゲンにより増殖が促進される乳癌の治療では、それを抑える男性ホルモン剤が用いられる。
●アナストロゾール(アリミデックス)
閉経後の進行・再発乳癌。
●エキセメスタン(アロマシン)
閉経後の進行・再発乳ガンマた手術後の再発予防のためのホルモン療法剤。
●エストラムスチン(エストラサイト、ピアセチル、プロエスタ)
女性ホルモンのエストロゲンと抗癌剤ナイトロジェン・マスタード(アルキル化剤)の2剤を結合させた抗癌剤で前立腺癌の治療に用いられる。
●エチニルエストラジオール(プロセキソール)
卵胞ホルモン(エストロゲン)剤の1つで前立腺癌に用いられる。
●クロルマジノン(アプタコール、パパコール、プロスタール、プロスタットほか)
前立腺癌のための抗アンドロゲン剤。
●ゴセレリン(ゾラデックス)
進行した前立腺癌、および閉経前乳癌。投与すると下垂体の反応性が低下し、精巣のテストステロンまたは卵巣のエストロゲンの分泌が抑えられて、抗癌効果が生まれる。
●タモキシフェン(アドバン、エマルック、ノルバデックスほか)
乳癌。エストロゲンが癌細胞の持つエストロゲン受容体と結びつくと癌細胞が成長するが、タモキシフェンはその前にこの受容体と結合してエストロゲンを排除し、癌の成長を押さえる。
●デキサメタゾン(オルガドロン、デキサメゾサゾンエリキシル、メサデルムほか)
抗癌剤の副作用に対する支持療法で使われる一方で、癌細胞のアポトーシス(自殺)を誘発することから、白血病など、血液の癌の治療薬として用いられている。
●トレミフェン(トレミファン、フェアストン)
乳癌。癌細胞のエストロゲン受容体と結合し、癌細胞の増殖を阻害する。
●ビカルタミド(カソデックス)
フルタミドと同じ、非ステロイド性の抗アンドロゲン剤。
●フルタミド(オダイン、フルタミド、フルタメルク)
非ステロイド性の抗アンドロゲン剤。男性ホルモン(アンドロゲン)によって増殖が促がされる前立腺癌の治療に用いられる。
●プレドニゾロン(プレドニソロン、ブレドニン、プレドハンほか)
おもに血液系の癌。体内でつくられる副腎皮質ホルモンに似た物質(糖質コルチコイド)で、白血球の一種であるリンパ球を破壊する。
●ホスフェストロール(ホンバン)
前立腺癌やその転移癌。
●ミトタン(オペプリム)
副腎皮質に対する毒性によって、副腎の腫瘍を小さくする。
●メチルテストステロン(エナルモン、エネルファ)
手術不能の乳癌、末期女性性器癌の疼痛緩和。テストステロンに、メチル基を結合させた合成ホルモン剤。強い男性ホルモン作用。
●メドロキシプロゲステロン(ヒスロンH、プロゲストン)
乳癌、子宮体癌。
●メピチオスタン(チオデロン)
乳癌。
●リュープロレリン(リュープリン)
長時間をかけてゆっくりと体内で放出され、主に前立腺癌の症状・進行の改善に用いられる。
●レトロゾール(フェマーラ)
乳癌。エストロゲンを合成するアロマターゼの働きを抑制する。
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