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歯科衛生士と先生のコミュニケーション

歯科衛生士と先生のコミュニケーション

■ 転職動機はお給料?!


どこの業界でも夏、冬のボーナスの後はそろそろ潮時かな?という思いが湧き上がるように感じます。歯科衛生士の求人はいつでもどこでもありますから、他院と比較した際には、その綺麗な芝生しか目に入らなくなります。ただ実際に動く人はそんなに多くはないんです。実はお給料は転職動機の順位として、意外と高くないんです。



■ 職場環境を変えるストレス


慣れている環境を変えるストレスの方が遥かに大きいです。その証拠に院内セミナーでお伺いした先の衛生士さんに「よく平気ですね、新しい場所に行く時、怖くないんですか?」と言われますもの。。ですが最後に背中を押されるのでしょうか、ボーナス時期以降、いつもより少し増えてくる転職の相談と、求人相談。そして4月からの新メンバーの受け入れ、その際にわずかばかりお役に立てるかなと思うことを今回は、書かせていただきます。



■ 患者さんと歯科衛生士の関係


やはりせっかくのご縁ですから長く勤めてもらいたいですし、入職された衛生士さんも勤めたいはずですよね。


歯科衛生士は患者さんと密に関わる仕事ですから患者さんにしたって毎回違う方に口の中を見られたり、個人情報を伝えるのは嫌でしょうし、実際なるべく同じ方で見てもらいたいという患者さんの希望は意外と多いんです。


患者さんになぜ定期的に来院が必要なのかを熱弁(熱弁は私だけ?)する際に、「細菌を溜め続けないためのリセットである」とだけしか説明しませんか?違いますよね、


「歯を喪失するためのリスクを共有し、そのリスクが喪失のきっかけになっていないかの確認もしている」ことを伝えていますよね。


そうであれば、毎回違う人では患者さん個人のリスクがしっかり次の担当者に伝達をされているか患者さんは不安になりますし、何より説得力がありません。



■ 離職の理由はミスマッチ


少し寄り道をしましたが、長く勤めたい、勤めて欲しい、双方同じ思いにも関わらずなぜ離職は起こるか‥まず考えられるのは【お互いの求めるものと求められるものが一致しているのかどうか】という確認不足があるように思います。


クリニック側が求める衛生士と衛生士自身が提供できる業務に差がないか。もちろんバッチリと一致することはないと思いますが、歩み寄れるのかどうか?双方どの程度の妥協とどこまでの歩み寄る努力ができるのか?それを双方が確認せずに期待に応えてくれるだろうという甘い夢をお互いが見ていないか、、この【であろう問題】(便宜的にそう名付けますが)、いたるところに潜んでいて意外と大きな問題に発展しやすいものです。それを乗り越えるためには、コミュニケーションなのですが、それが難しい。


だってやはりなかなか本心は言いにくい。衛生士さんもできませんとは言いにくいですし。逆に、自身のできるだろうという高い見積もり、言わば驕りですが、それも、もれなく【であろう問題】ですね。ではどうしたらいいのでしょうか?



■ 試用期間の重要性


論より証拠です、証拠を示して貰えばいいんです。


今まで患者さんにしっかり向かい合ってきたのであれば、基本治療で結果を出すことはできるでしょう。症例があれば良いのですが、自身のケースを雑誌に投稿しているような方が応募してきたら他の部分でしっかり話を聞きたいですが、前医院から症例写真の持ち出しの許可の観点から見ても難しいとは思います。


なので、試用期間はお互いとても重要になると考えます。3ヶ月もあれば、患者さんの評判、業務の結果に現れる手技レベル、不足点、目標に対する努力、スタッフ同士の関係性など、評価項目を設けた分、きちんとわかるものです。それはきちんと評価され、対価に反映されるということを新規スタッフさん側にも示すことになるので、お互いの利点として大きいです。




■ 想像力があるスタッフか?


また新人スタッフさんの素質の見抜き方についてもよく相談を受けるのですが、一生懸命であることが一番ですね。ただ、熱血が見てわかる子ばかりではないですし、一生懸命だからといって医療ですから、安心安全な業務を行ってくれるのかということは非常に重要です。それを見抜くのは、想像力があるかないか、だと思います。ヒヤリハットの報告会を早いうちにクセつけるのもとても有効であると思います。


さて、いかがでしたでしょうか?今回はこのあたりで失礼いたします。少しでもお役に立てれば嬉しいです。また来月!




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2020年02月06日

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