日本補綴歯科学会 > CAD/CAM 冠の診療指針 > 2014
■ エッセンス
適切な支台歯形成を行わないと、脱離破損リスクが向上してしまう
■ 詳細
CAD/CAM冠の支台歯形成は、適切なクリアランス・滑沢かつ単純な形態・丸みをもたせた凸隅角部・円滑で明確なマージン形態とフィニッシュラインが求められます。具体的には以下の通り。
【咬合面】
・約 1mmのガイドグルーブを付与
・頬側、舌側内斜面ともに、咬頭傾斜に沿ってガイドグルーブが平らになるように切削し、なめらかな逆屋根形状に形成
・クリアランスは、1.5~2.0mm 以上
【頬側面・舌側面】
・頬側面は咬頭側と歯頸側それぞれに咬合面と同様 1mm 弱のガイドグルーブを付与し、2面形成
・軸面テーパーは片面 6~10°
・舌側も頬側と同様に形成
【隣接面】
・隣接歯を傷つけないことが重要
→隣接面に歯質が一層残るように軽くバーを 通すイメージで形成
・両隣接面のテーパーも片面 6~10°
【軸面・マージン部】
・概形成ができたら、隣接面から頬側面にかけてマージン部をディープシャンファー に修正
・支台歯のマージン部とフィニッシュラインの形成面を特に滑らかに仕上げる
・舌側面も頬側面と同様に修正
・クリアランスは、軸面で 1.5mm 以上、マージン部で約 1.0mm
【隅角部】
・咬合面―軸面部に鋭角な部分がないように丸みを帯びた形状に形成
【削除量の確認】
・あらかじめ作製したシリコーンインディックスなどで削除量を確認