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30 脳卒中、寝たきり、周術期と口腔カンジダ症の関係

30 脳卒中、寝たきり、周術期と口腔カンジダ症の関係

脳卒中と口腔カンジダ症


栃木病院(現 栃木医療センター)で行った調査結果では、初回発生脳卒中患者の半数以上からカンジダ菌を検出。

また、栃木病院における脳血管障害で入院した患者調査では
身の回りのある程度のことはできるがしばしば介助を要し日中の50%以上は就床、また常に介助を要し終日就床を必要としているの患者さんの約40%に口腔カンジダ症が認められました



寝たきり度と口腔カンジダ症


要介護高齢者は自立高齢者に比べ、カンジダ菌の検出率が高いことがわかっており、寝たきり度と強い相関性が認められます。


参考:Senpuku et al:Systemic diseases in association ith microbial species in oral biofilm from elderly equiring care. Gerontology 49:301-309, 2003


寝たきり度が重症になるほどカンジダ菌の検出率が高くなり、老人介護施設などに長期入院している高齢者などでは口腔カンジダ症がよくみられます。



人工呼吸器や周術期における口腔カンジダ症


人工呼吸器を装着している患者、口腔環境の悪化により口腔カンジダ症が発症することがあります。周術期においては、例えば前立腺がん手術後にカンジダ菌が増加するという報告があります。前立腺がんでは腹腔鏡による手術も行われ、開腹ほど体に侵襲がかかりませんが、少しでも抵抗力が下がればカンジダ菌が増加することがあります。がん化学療法・放射線治療によってどのような症状が現れたかを栃木病院で調査したものによると、化学療法単独または化学療法と放射線療法を併用した約50%の患者さんにカンジダ菌が検出されました。


参考:Senpuku et al:Post-operative infection by pathogenic micro-organisms in the oral cavity of patients with prostatic carcinoma. The Journal of International Medical Research 34:95-102, 2006



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2019年12月12日

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