TNM分類
ティーエヌエムブンルイ
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                        分野名
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                        解説
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                        【概要】 
 悪性腫瘍の病期分類に用いられる指標。
 
 癌の進行度は、
 ・癌がどのくらいの大きさになっているか、
 ・周辺のリンパ節にどれほど転移しているか、
 ・遠隔臓器への転移はあるか、
 の3つの要素で決められている。
 
 【詳細】
 病気分類をもとに治療法の選択や、予後の推測される。
 記述する際にはT2N1M0のように記述する。実際には各悪性腫瘍ごとに独自の分類を定めていることが多い。
 
 ■T原発腫瘍:
 原発巣の大きさと進展度を表す。
 T1~4までの4段階に分けられる。
 
 ・TX:原発腫瘍の評価が不可能
 ・T0:原発腫瘍を認めない
 ・Tis:上皮内癌
 ・T1:最大径が2cm以下の腫瘍
 ・T2:最大径が2cmを超え、4cm以下の腫瘍
 ・T3:最大径が4 cmを超える腫瘍
 ・T4:(口唇) 骨髄質、下歯槽神経、口腔底、または顔面(すなわち、顎または鼻)の皮膚に浸潤する腫瘍
 - T4a:(口腔) 隣接臓器(たとえば、骨髄質、舌深層の筋肉[外舌筋][おとがい舌筋、舌骨舌筋、口蓋舌筋、茎突舌筋]、上顎洞 、および顔面の皮膚)に浸潤する腫瘍
 - T4b:咀嚼間隙、翼突板、または頭蓋底に浸潤する腫瘍および/または内頸動脈を包み込む腫瘍
 
 ■N所属リンパ節:
 所属リンパ節への転移状況を表す。
 転移のないものをN0とし、第一次リンパ節、第二次リンパ節への転移、周囲への浸潤の有無からN3までの段階に分ける。
 
 ・NX: 所属リンパ節の評価が不可能
 ・N0:所属リンパ節に転移を認めない
 ・N1:同側の単発性リンパ節転移で、その最大径が3cm以下のもの
 ・N2:同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cmを超え、6cm以下のもの;または同側の多発性リンパ節転移で最大径が6cm以下のもの;または両側あるいは対側のリンパ節転移で最大径が6cm以下のもの
 - N2a:同側の単発性リンパ節転移で直径が3cmを超え6cm以下
 - N2b:同側の多発リンパ節転移で最大径が6cm以下
 - N2c:両側あるいは対側リンパ節転移で最大径が6cm以下
 ・N3:最大径が6cmを超えるリンパ節転移
 
 臨床評価では、リンパ節腫瘤の実際の大きさを測定し、介在軟組織の許容差を考慮しなければならない。直径3cmを超える腫瘤のほとんどは単独リンパ節ではなく、融合性リンパ節または頸部軟組織の腫瘍である。臨床的に陽性なリンパ節の3つの病期は:N1、N2、およびN3である。サブグループa、b、cの使用 は、必須ではないが推奨している。正中リンパ節は同側リンパ節と考えられる。
 
 ■M遠隔転移:遠隔転移の有無を表す。遠隔転移がなければM0、あればM1となる。
 
 ・MX:遠隔転移の評価が不可能
 ・M0:遠隔転移を認めない
 ・M1:遠隔転移あり
 
 ■以上を指標としてstage I~IVまでの4期に分ける。
 Stage
 ・Ⅰ:T1 N0 M0
 ・Ⅱ:T2 N0 M0
 ・Ⅲ:T3 N0 M0かT1~3 N1 M0
 ・Ⅳ:T4 N0~1 M0、N2、N3の全例、M1の全例
 
 
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